傷病手当金のポイントを簡単に

会社員が加入している健康保険制度には、傷病手当金という制度があります。

この制度について、簡単にポイントを説明します。

1.病気やケガで仕事を休んだときに、収入をサポートしてくれる

いわゆる私傷病が対象です。

仕事(通勤)中のケガや、仕事(通勤)が原因の病気は対象外です。

2.支給額は、働いていたときの給与の3分の2くらい

1日の金額
【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×(2/3) という計算式です。

例)12カ月間、月額給与が19万8千円の場合(神奈川県の標準報酬月額は200,000円)
1日:標準報酬月額200,000円 ÷30日 ×(2/3) =4,445円
1ヶ月:4,445円 ×30日 =133,350円

3.最長で1年6カ月分、受け取ることができる

令和4年1月1日より、支給を開始した日から、通算して1年6ヵ月に変わりました。

そのため、途中で復職した期間があっても、継続して受け取ることができるようになりました。

4.会社を辞めた後も、継続できる

①退職日等までに、被保険者期間(保険に加入している期間)が継続して1年以上あること

②退職日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態にあること

①と②を満たせば、退職後も引き続き支給を受けることができます。

5.社会的治癒が認められれば、再申請が可能

以下は、厚生労働省の「同一の疾病又は負傷」の解釈です。

同一の疾病又は負傷とは、一回の疾病又は負傷で治癒するまでをいう。
したがって、同一の疾病又は負傷には再発にかかるものは含まない。

以下は、社会保険審査会の裁決例における「社会的治癒」の概念です。

医学的には治癒していないと認められる場合であっても、軽快と再度の悪化との間に、いわゆる「社会的治癒」があったと認められる場合は、再発として取り扱われるものとされている。そして、いわゆる「社会的治癒」と認め得る状態としては、相当の期間にわたって医療(予防的医療を除く。)を行う必要がなくなり、通常の勤務に服していたことが認められる場合とされている。
(平成25年(健)第1392号 平成26年8月29日裁決より)

これらを踏まえると、同じ病気であっても「社会的治癒」が認められれば、再発とみなされ、再度、傷病手当金を申請できる場合があります。

気を付けたいこと

・任意継続加入の途中で病気になった場合は、対象外です。

退職日に出勤してしまうと、条件を満たさなくなるため、継続できなくなります

・退職後に継続して受け取っている途中で、新たに仕事に就いた場合は、そこで終了となります。

同じ期間に、障害厚生年金をもらうと、支給額が調整されます

詳しくは、「全国健康保険協会」のHPをご覧ください。