初診日の証明が難しい?対処法①「20歳以降」
障害年金の申請において「初診日」の証明はとても重要です。
ただ、最初に病院にかかった日(初診日)をはっきり覚えていないことも多いです。障害年金の制度を最初から知っていて、「いつか申請するかもしれない」と考えている人は少ないからです。
いつの間にか病院が廃業してしまったり、カルテが保存期間を過ぎて廃棄されてしまったりすると、さらに手続きが難しくなります。
しかし、ここで諦めるのはまだ早いです。
厚生労働省から、「障害年金の初診日証明書類のご案内(初診時の医療機関の証明が難しい場合)」(PDFファイル)が発表されています。これを参考に、別の方法で証明を試みることも可能です。
この内容をもとに、「20歳以降に初診日がある場合」の証明方法について、簡単にご紹介します。
20歳以降に初診日がある場合
パターン1:第三者証明(2通)と参考資料で証明する場合
【必要書類】
□受診状況等証明書が添付できない申立書(日本年金機構HPより)
□初診日に関する第三者証明書(2通)(日本年金機構HPより)
※証明者は、請求者の三親等内の親族以外の2名(4親等のいとこは大丈夫)
証明内容は以下のいずれか |
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①初診日頃の受診状況を直接的に確認していた場合、その状況 |
②本人や家族等から、初診日頃に、初診日頃の受診状況を聞いていた場合、その状況 |
③本人や家族等から、請求時からおおむね5年以上前に、初診日頃の受診状況を聞いていた場合、その状況 |
□参考資料(客観的な証拠として認められるもの)
診察券、入院記録、医療機関や薬局の領収書、生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書、障害者手帳の申請時の診断書、交通事故証明書、インフォームド・コンセントによる医療情報サマリー、事業所等の健康診断の記録、健康保険の給付記録(レセプトを含む)など |
パターン2:医療従事者による第三者証明(1通)で証明する場合
【必要書類】
□受診状況等証明書が添付できない申立書
□初診日に関する第三者証明書(1通)
※証明者は、初診日頃に受診した医療従事者(医師や看護師等)1名
※請求者の三親等内の親族以外
証明内容 |
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初診日頃の受診状況を直接確認していた場合、その状況 |
パターン3:参考資料で初診日が存在する一定期間を証明する場合
【必要書類】
□受診状況等証明書が添付できない申立書
□一定期間の開始時期に関する参考資料
例:就職時に提出した診断書、職場の健康診断の記録など
□一定期間の終了時期に関する参考資料
例:2番目以降に受診した医療機関の証明書、交付日の記載された障害者手帳など
資料で初診日が一定期間内にあることが確認され、以下のいずれかを満たす場合、申し立てた初診日が認められます |
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①その期間中、同一の年金制度に継続的に加入しており、保険料納付要件を満たしている |
②その期間の全期間が20歳前である(厚生年金加入期間を除く) |
③その期間の全期間が60歳~65歳であり、保険料納付要件を満たしている(厚生年金加入期間を除く) |
④その期間中、異なる年金制度に加入していて、いずれも保険料納付要件を満たしている場合で、初診日に関する参考資料※が提出されている |
つまり、初診日があった期間と、その期間(または申し立てた初診日)に加入していた年金制度が証明できれば、申し立てた初診日が認められるということです。
パターン4:初診日の記載されたカルテ等で証明する場合
【必要書類】
□受診状況等証明書が添付できない申立書
□請求の5年以上前に、医療機関が作成したカルテの写し等であって、請求者が申し立てた初診日(他の医療機関での)が記載されているもの
以上が簡単な説明となりますが、初診日の証明は少し複雑に感じることもあるかもしれません。こうした証明を進める際には、社労士に相談し、一緒に考えることで、よりよい道が開けることもあると思います。困ったときは、ぜひ専門家のサポートを活用してみてください。